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タイで化粧品サンプルを展示するには?サンプル用FDA取得と郵便局での4時間格闘レポート

本記事は、筆者が実際にサンプル用FDAを取得し、郵便局での手続きを行った経験に基づき、2025年7月時点のタイの規制および運用状況を詳細にレポートしたものです。

 

はじめに

今回は、日本博で化粧品を展示する出展者をサポートした際の体験レポートを共有します。
目的は BtoB商談であり、会場での販売は一切なし。
そのため、通常のFDA(販売を前提とした登録)ではなく、サンプル用FDAを取得しました。

この記事では、サンプル用FDAの取得方法と、タイ到着後に直面した“予想外の落とし穴”を詳しく紹介します。
これから展示会に出展される方にとって、必ず役立つ情報になるはずです。

通常のFDAとサンプル用FDAの違い

通常FDA:販売を前提とした登録。成分・ラベル・書類など詳細な審査が必要で、取得に時間とコストがかかる。

サンプル用FDA:
展示やプロモーションに限定。販売は不可だが、申請は簡略化され、比較的短期間で承認される。

今回は「展示のみ」であったため、サンプル用FDAを選択しました。

サンプル用FDA申請プロセス

準備したのは以下の書類です。
– 成分表(英語翻訳)
– 商品明細
– 展示会運営側からの証明書

申請から承認までは 約1週間もかからずスムーズに完了しました。
商品も少量で販売なしのため、発送は 郵便局のEMS を利用。
ここまでは順調そのもの。

タイ到着後の手続き

商品が到着したのは Bangkok Postal(郵便局本局)
FDA担当者に書類を提示すると、「バイコン(輸入関連書類)」という書類の作成が必要とのこと。

バイコン作成に1時間半待ち

郵便局内の別会社に依頼しましたが、驚くほど待たされました。
混雑していないのに、1時間半以上
周囲の業者からも「ここはいつも遅いよ」と言われる始末でした。

その後、FDAカウンターと別カウンターを何度も往復し、ようやく関税支払いの段階へ進みます。

現場の様子

実際にここで書類チェックや通関手続きが行われた

予想外のトラブル:価格チェック

関税支払いの直前、担当者が突然スマホで商品写真を撮影。
すると、日本での販売価格が自動表示されました。

「なぜ販売価格より安いんだ?おかしいから出せない」と言われ、出荷が止められてしまいます。

こちらとしては、
– 今回はサンプルで販売はしない
– 日本の小売価格より仕入れ価格が安いのは当然

と説明しましたが、逆に相手の機嫌を損ねてしまいました。
交渉は難航し、最終的に通関はできたものの、郵便局で4時間を費やすことになりました。

ここから学んだこと

今回の経験から得られた教訓は以下です。

1. 書類申請はスムーズでも、現場での待ち時間は長い可能性がある。

バイコン作成(輸入関連書類)やカウンター移動など、机上では想定できない手間が発生します。

2. 価格に関する説明を事前に準備しておく
サンプル用であること、仕入れ価格と販売価格の差について納得感のある説明を用意すべきです。
というか価格設定の時点でおかしくない価格を書いた方がスムーズです。

3. 時間的余裕を見込んで行動する
書類に問題がなくても、実際の通関には数時間かかるケースがあることを前提にスケジュールを組みましょう。

まとめ

– サンプル用FDAは通常FDAより簡単に取得できるが、現場でのトラブルは起こり得る
– 郵便局では「バイコン作成」「価格チェック」が大きな落とし穴となる
– 書類準備だけでなく、現場でのやり取りを想定した戦略が必要

今回の経験が、これからタイで展示会や日本博に出展される方の参考になれば幸いです。

【免責事項と最終確認のお願い】

タイの法規制(FDA、税関など)は、予告なく細則や運用が変更される可能性がございます。

本記事は、読者の皆様への情報提供を目的としていますが、その内容の正確性および完全性を保証するものではありません。

実際のビジネス判断や申請手続きを行う際は、必ずその時点でのタイ政府の公式情報、または専門の弁護士・コンサルタントにご確認いただきますようお願い申し上げます。本情報の利用により生じた損害等について、当社は一切の責任を負いません。